2006年8月21日 (月)

「オシムの言葉」を読まずにオシム監督を語ってはいけない

オシム語録の真意

本書中にはこのようなやりとりがあります。オシム監督の真意が垣間見える箇所です。


─あなたは、ご自分が紡ぎ出す言葉が、語録と称されて注目を浴びていることをどうお考えになっているのか。
しばしの沈黙の後、彼は言った。
「私は別にテレビやファン向けに言葉を発しているわけではない。私から言葉が自然に出てくるだけだ。しかし、実は発言に気をつけていることがある。今の世の中、真実そのものを言うことは往々にして危険だ。サッカーも政治も日常生活も、世の真実には辛いことが多すぎる。だから真実に近いこと、大体真実であろうと思われることを言うようにしているのだ

─あの会見の言葉も?
じっとこちらを見つめて口を開いた。ミステリアスな監督が、ようやく漏らした本音だった。
「言葉は極めて重要だ。そして銃器のように危険でもある。私は記者を観察している。このメディアは正しい質問をしているのか。ジェフを応援しているのか。そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる。意図を持てば世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だってそこから始まった部分がある」

オシム監督の数々の発言には常に洞察と真の意図が隠れている。これに比して「オシムから、会長は何を言ってもいいんだと言われた」と言って揚々としていた川淵会長が人間としていかに軽率で矮小に見えることか。


………………………………


「オシムの言葉」を恥ずかしながらつい最近読みました。近年出色の良書です。
ベストセラーは、アホの壁がどうとかダヴィンチの謎がどうとか、ある程度売れるためにはどうしても低質でないといけないと相場が決まっているようですが、この本は違いますのでベストセラーというだけで避けていた方もどうかご安心ください。なお、タイトルから「オシム語録集」だと勘違いされてる人もおられると思いますが、オシム監督の半生を扱ったドキュメンタリーです。(勿論「オシム語録」も多数収録しています)

映画のような半生

オシム監督のユーゴ代表監督としてのキャリアは祖国の崩壊に重なります。メディアが民族間の対立を煽り、代表監督が有象無象の圧力を受けた時代。内戦で家族と生き別れ、生き死にも不明。苦心して創り上げた代表チームは戦火の拡大とともに櫛の歯が抜けるように瓦解してゆく…オシム監督の半生を知ると、頭を思い切り殴られるような思いがします。こんな苛烈な状況におかれながら、それでも圧力に屈せず、自らの信念を曲げず、その公正な姿勢は今も民族と国家を超えた尊敬を受けている。正に事実は小説よりも奇なりの文言を思い起こさせるものです。襟を正して不要な情緒を抑えた著者の取材姿勢にも好感が持てます。

オシム監督が日本代表監督を引き受けた本当の理由

なぜ数多くあるオファーの中から、日本に来ることにしたのか? 著者の問いに、祖母井さん(ジェフ千葉GM)が毎日電話で誘ってくれたり、直接会いに来てオファーをしてくれたからとオシム監督は答えます。「優勝したいのならレアルマドリーのオファーを引き受けていた」という言葉もありますが、実際にオシム監督はレアルのオファーを蹴ったことがあります。
「自分はビッククラブ向きではない、そこではサッカーについて監督が正しいと思ったことを正しく実行できないからだ」
人生とサッカーを同一視する監督が何を大切にしているか判る言葉です。
その信条を知ると、今回の騒動のように、クラブと協会間の力関係を利用して任期途中でオシム監督を無理矢理就任させた川淵会長のやり方がいかに無礼で卑劣なことか思い至ります。このような商業主義的、権威主義的なやり方は最もオシム監督が忌み嫌うところでしょう。礼をつくして監督をジェフに迎えた祖母井氏の心中も察して余りあります。
また、現在一部筋から
「代表監督は契約があって初めて成り立つもの、オファーを断ることもできたのだから、受けたオシムは同罪だ」
とするオシム・川淵連帯責任論が盛んに喧伝されていますが、これがいかに的外れで愚かな論かは本書を読めば瞭然です。

オシム監督を「消費物」にしてはいけない

本書は、オシム監督が今どんなサッカーを目指しているのかを知るためにも、全ての日本のサッカーファンが読んで損のない本だと断言します。この名将が今、日本の代表監督をしてくれているということの僥倖。
オシム監督を絶対に商業主義の「消費物」にしてはいけないと思います。すでに各方面でその気配があります。協会の欠点を正し、サッカージャーナリズムを鍛えようと時に厳しい言葉を投げかける監督に対して、これから一層JFAや一部マスコミを中心とした強い反発も予想されます。
「私が日本を出た後ろで扉が閉じられないことを祈る」
と言うオシム監督。数年後にそうならないように、今、我々サポーターは真剣にオシム監督の言葉に耳を傾け、日本のサッカーシーンにおいて何が問題なのか、オシム監督が何を正そうとしていて、誰を鍛えようとしているのか理解し、どう行動することが我々にとって「コレクト」なことなのか、考えるべきと思います。我々サポーターが、某テレビ局に代表されるような安易なサッカージャーナリズムのデマゴーグによって目を曇らせることがないように祈ります。

なお、この記事は商業的な宣伝を目的とはしておりませんので本書に関してリンクやアフィリエイト等は控えます。書店等でお手にとりください


「オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える 」
木村元彦 著・集英社インターナショナル


第1章 奇妙な挨拶
第2章 イタリアW杯での輝き
第3章 分断された祖国
第4章 サラエボ包囲戦
第5章 脱出、そして再会
第6章 イビツァを巡る旅
第7章 語録の助産夫
第8章 リスクを冒して攻める
第9章 「毎日、選手から学んでいる」 

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2006年8月17日 (木)

羽生さんのこと

79年組ライバルである加地さんとのMVR争奪戦を制し、見事なワンツー抜け出しで僕的「今週の巧」を獲得してすっかり僕の心の一隅をガッチリ占領してしまった羽生選手の、眼光鋭さとそのアジリティの高いプレースタイル。プレースタイルだけでなく、羽生選手の人となりが知りたくなり、早速そのHPにお邪魔してみた。

”(2006/8/14) 日曜日から代表の練習は始まり、正直、人見知りもする性格なのでこういった場は得意ではないのですが、千葉からは4人選ばれているし年下の選手も多いので思ったよりスムーズに入れた気がします。
はにゅ~”

なんと、羽生さんは人見知りする性格らしい。一見人見知りしそうな顔してて、本当に人見知りする性格なんですね。すごいなぁ。そのまんまだなぁ。シジクレイが実は子供好きとか、フェルナンジーニョが背を伸ばしたくて今も毎日牛乳を飲んでるとかそういう情報と同じくらいそのまんまだなぁ。とちょっと感心。だから羽生さん、プロフィール写真もこんな感じで恥ずかしそうに顔半分隠して写ってるのかなぁ。でもこの写真、ずーーーっと見てると、なんかに似てる。なんだろう?あ、あれ?この写真10分くらい眺めてると、なんかこういう風に見えてくる気が…!? 羽生さんの目から出た怪光線じゃなくて熱視線の先にある目標は…地球征…違う、違うよ羽生さん。君が宇宙から千葉に帰化した理由はそんなことのためじゃなかったはず。

”(2006/5/16) 僕も2人に負けないように頑張ります!!ドイツの後の2大会くらいはまだまだ狙ってます!(笑)この場をかりて「巻おめでとう!!阿部4年後おめでとう!!(笑)」
はにゅ~”

と自らも抱負を語ってますよね。羽生さんの目線の先にあるのは明らかに2010年W杯の舞台、南アフリカに違いありません。羽生さん、これからも宇宙パワーやら牛の血パワーやらで頑張って、2010年には是非地球を世界を制してください!応援しています。

(追記・8/18)

羽生さんの変態トラップ動画。大黒の変態トラップもすごかったがこれもすごい。
宇宙度高いです。スパイクに反重力装置を隠し持ってるのかもしれません。これからはアシスタントレフェリーは羽生選手のスパイクチェックする際は足裏だけでなく足の甲にも注意しないといけませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=bAK_JFA9fVs

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2006年8月16日 (水)

加地さん、MVRを目指す

ガンバのオフィシャルサイトより。

日本代表に遠藤選手&加地選手が選出! 
本日発表されました「AFCアジアカップ2007予選大会 日本代表VSイエメン代表 8/16@新潟」メンバーにガンバ大阪より遠藤保仁選手&加地亮選手が選出されました。本人のコメントと共にお知らせします。

◇遠藤選手「頑張ります!!」
◇加地選手「MVR(RUN)をとります!!」
(2006/8/13)”

MVR…。な、なんかそれすごくないですか。MRとかFRとかRVとか、車のタイプの一種みたいな…。加地さんなら間違いなく取ってくれそうだけど。MVRに副賞があるとしたらやっぱり代表戦+加地さんとくれば定番のKIRINアルカリイオンの水一年分でしょうか。最近ガソリンが高騰してるからガソリン一年分なんかでもかなり魅力的かも。
あと、MVRのライバルはやっぱり千葉のリトルグレイこと羽生選手などになるんでしょうか。同じ1979年組だし。彼も虎視眈々と牛の血一頭分…じゃなかったアルカリイオンの水一年分を狙ってるに違いありませんよ。頑張れ加地さん!宇宙パワーに負けるな!加地さん、羽生選手とアイコンタクトするときにはあんまり目を長時間見つめすぎないように気をつけて!



関連サイト・カジオログ

(8/16 追記)

さすがkajidaisanjiさん、キャプが…キャプがすばらしすぎるよ…(羽生選手)
羽生選手の特徴が余すところなく出てる一ショットですなぁ。きっとカメラマンさんもプロフィール写真のことをよく知ってて狙ってたのかもしれませんねってそんなことないか。
しかし今日の「MVRだよ・牛一頭争奪大会」は若干リトルグレ…じゃなかった羽生選手に軍配があがった感じですかね。特に羽生選手のワンツー特攻と巻選手と羽生選手による敵ボール奪取は見事でしたね。あのプレーは今週の巧になっててもおかしくなさそうですね。
あと加地さんもサイド攻撃のときはもう少しエンドラインをこう、激流を上る鯉のごとく、堰を越える産卵前の鮭のごとく、壁に突き当たった後のゴ○ブリのごとく、駆け上がって欲しいなぁ。「無理です」って言われるかなぁ。加地さんの頑張りとRPG並の成長力からして数ヶ月もあればホアキンばりのサイドアタッカーに転職するのも夢じゃないと思うんだけど…。

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2006年8月14日 (月)

イエメン戦の日本代表選出

感想としては、宮本選手が漏れたことですね。これは個人的には好印象です。
これで、2006W杯の選手でファーストチョイスでセンターを勤めたフィールドプレーヤーは一人もいなくなりました。「宮本-福西-中田-中村-高原」から、変わって真ん中を勤めるのは「田中-阿部-長谷部-我那覇(巻)」になります。
「このチームはジーコのサッカー(ポゼッション&カウンター主体のサッカー。)とは断絶している」という強烈なメッセージを示す人選と言えるでしょう。「トルシエ→ジーコ→オシムはサッカーを継承している」と言い切ってはばからない川淵キャプテンですが、これはどう考えてもつながっていない。

かつて
「古い井戸中心でいく」
とオシムが言ったという報道が流れましたが、これはどうやら
「古い井戸にまだ水が”ほんの少し”残っているので、これも使う」
という言葉をマスコミや川淵会長が曲解してしまったことによるミスリードにすぎなかったようです。意図を読ませないようにして振り回してマスコミ対策・協会対策においていつの間にか主導権を握ってしまったのはオシムの凄い手腕だと思います。

今日、あんまりサッカーに詳しくない人に、「小野や中村がいるのが代表だと思ってたから、なんかショック。代表ってなんだったんだろう」と言われて、この感想に思わずニヤリとしてしまいました。確かにこの中には電通スター選手は一人もいません。しかし、サッカーファンにとってこんなに次の試合が楽しみな代表戦も久しぶりです。不要なホームゲーム(トリニダード・トバゴ戦)のせいで日程が厳しくなってしまったのは気になりますが。もっと練習時間を!

日本代表に選出された22人(2006年8月13日)

▼GK

川口 能活(磐田)、山岸 範宏(浦和)

▼DF

三都主アレサンドロ(浦和)、坪井 慶介(浦和)、加地 亮(G大阪)、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野 友一(広島)

▼MF

中村 直志(名古屋)、羽生 直剛(千葉)、遠藤 保仁(G大阪)、鈴木 啓太(浦和)、阿部 勇樹(千葉)、山瀬 功治(横浜M)、佐藤 勇人(千葉)、田中 隼磨(横浜M)、小林 大悟(大宮)、長谷部 誠(浦和)

▼FW

巻 誠一郎(千葉)、我那覇和樹(川崎)、佐藤 寿人(広島)、田中 達也(浦和)、坂田 大輔(横浜M)

(8/15追記)
KET SEE氏がブログで、今回の選出についてコメントされていますが、ひとつひとつの洞察に共感しましたのでここで一部引用させていただきます。

”私は、サポーターは「正常化される」日本代表の環境、それをなそうとしてくれているオシム監督を、守らなければならない、と感じています。それが、この4年間に対する償いなのだ、と。そのためにも、強化よりも「スターシステム」を推進する協会の現体制に、「NO!」と言うことが必要です。少なくとも、改革を行おうとするオシム監督をしっかりと協会がサポートするように、継続して声をあげ続けていきたいものです。”

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2006年8月13日 (日)

バラック、チェルシーのユニフォームに袖を通す

へーナカムラのセルティックと練習試合やったんだ、と思ったら、バラック、青いユニが
に、似合わない!
見慣れないとダメですねぇ。すみません。画像のリンク先どっかいってしまいました…。

ちなみに、バラックに13番を奪われたギャラスにレアルが接触してる模様。アーセナルのアシュリーコールとのトレードも報じられたばかり。http://www.divinanet.com/news/20060808101552.htm

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2006年8月11日 (金)

スーパーさぶっ劇場で大仏オシムへ願いごと募集中

サカダイとスーパーさぶっの作者の方、いつも爽快な4コマをありがとうございます。
スーパーさぶっ最高!
権力者へのユーモアを交えた批判って上質な抗議行動だと思います。次回のスーパーさぶっでデモのこと取り上げてくれないかなぁ。関係ないけど個人的にはルーニー坊やが大好きです。

ところでこの願い事募集、オブラートに包んではいるけれど、川淵問題に関するコメントを明らかに期待していると思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)? サカダイのプロテスト精神はすばらしいです。私も早速行って日本サッカーの未来がよくなるようにと願いごとを書いてきました。南無南無。

http://www.wsdnet.com/sabu_vote/index.html

”好評発売中のVol.1・2に続いて、Vol.3の発売が決定。
そこで読者の皆様から、単行本で掲載するコメントを大募集!
テーマ「"大仏オシム"への願い・一言」

■一言どうぞ!
例)○○選手が代表に呼ばれますように。
  ○○○なサッカーを見せてくれ!
  10年、20年、50年先につながるような、
  日本サッカーのスタイルをしっかりと構築してほしい。 ”

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2006年8月 1日 (火)

カカとカレン・カーペンター

数年前から似てるなーと常々思ってたのですが、並べてみたらやっぱり似てました。
皆さんどう思いますか…?

この画像、偶然シェフチェンコまでカーペンター兄に似てるし…。(髪型とか)
狙ってるとしか思えない(笑) もしや、カカのニックネームって(カ)レン(カ)ーペンターの略だったりして。(←ちがいます)

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